
DIYを始めたいと思っても、「何から手をつければいいのか」「どんな道具が必要なのか」が分からず迷ってしまう方は多いはずです。
実はDIYには、墨付け・穴あけ・切断・研磨など、いくつかの基本作業があります。
この記事では、DIY初心者の目線で「やること」と「必要な道具」をセットで整理し、全体像が一目で分かるように解説します。
DIY初心者が最初に知っておきたい「作業の流れ」

DIYというと「何を作るか」「どんな道具を買うか」に目が向きがちですが、実はほとんどのDIYは決まった作業の流れを繰り返しています。
基本の流れはとてもシンプルです。
- 測る・線を引く(測定・墨付け)
- 切る(切断)
- 穴をあける(穴あけ)
- 組み立て(ビス・ボルトなど)
- 仕上げ(やすり・塗装)
最初にこの流れを知っておくだけで、「次に何をすればいいか分からない」という不安が一気に減ります。
どんな作品でも、この中の作業をいくつか組み合わせて作っていると考えると、DIY全体がぐっと分かりやすくなります。
作業内容を知ると道具選びで失敗しにくい
DIY初心者が道具選びで失敗しやすい理由は、「何に使うか分からないまま買ってしまう」ことです。
例えば、
- 正確に切りたいのに、測定や墨付け道具が足りない
- 穴あけしか使わないのに、高価な工具を買ってしまう
- 切断後の仕上げを考えておらず、ガタガタになる
こうした失敗は、作業内容を知らないことが原因です。
先に「どんな作業があるのか」、「その作業で何をするのか」を理解しておけば、本当に必要な道具が見えてきます。
❶墨付け・測定作業で使う道具

DIYの仕上がりや作業のしやすさは、切る前・穴をあける前の準備でほぼ決まります。
その準備が「測定」と「墨付け」です。
ここを適当にしてしまうと、どんなに良い工具を使ってもズレたり、合わなかったりします。
逆に言えば、墨付けが正確ならDIYは一気に成功しやすくなります。
墨付けとは?
墨付け(すみつけ)とは、切断や穴あけを行う位置を、材料に線や印で示す作業のことです。
DIYでは次のような場面で必ず登場します。
初心者のうちは「目分量でもいけそう」・「定規を当ててそのまま切ればいい」と考えてしまいますが、これが失敗の元です。
墨付けは“加工の設計図”のようなもの。
線がズレていれば、その後の作業はすべてズレてしまいます。
初心者が揃えたい測定・墨付け道具
墨付け作業に必要な道具は、意外とシンプルです。
まずは次の道具があれば十分対応できます。
◾️コンベックス(メジャー)
数メートルの長い距離でもたわまないため、正確な測定ができます。
100均のコンベックスだと、扱いにくさや精度の不安があるため、可能であればしっかりとしたメーカーのコンベックスを使うのが望ましいです。

タジマ製であれば、精度の高い等級を示した「JIS1級」などと記載されていますよ!
◾️スコヤ

高い精度で測定・墨付けができるL型の定規です。
材料の端に引っ掛けられる構造になっているため、初心者でも簡単に直角の線を引くことができます。
また、直角の確認としても使うことができ、ぜひ持っておきたい道具の1つとなっています。
◾️シャープペン

最初は普通のシャープペンなどでも問題ありませんが、DIYに慣れてくると印がつきにくい素材への墨付けや効率を求めるようになってきます。
その場合は、DIYだけではなく、プロの現場でも人気が高い”ピカマーカー”がおすすめとなっていますので、覚えておくと良いでしょう。
◾️水平器

水平器は物の水平・垂直を確認するための道具で、家具の製作や壁などへの取り付け、外構DIYなどでよく使います。
歪みは耐久性や寿命の低下にも繋がりますので、水平の確認は大切な作業となります。

さらに便利な墨付け道具を知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。
墨付けでよくある失敗例
初心者がつまずきやすいのは、次のようなポイントです。
- 端からの寸法を間違える
基準面を決めずに測ると、ズレが積み重なる - 直角が出ていない
フリーハンドで線を引いてしまい、切断が斜めになる - 線が太くて位置が曖昧
鉛筆を寝かせて引くと、正確な位置が分からなくなる - 測ったらすぐ加工してしまう
「本当に合っているか」を確認せずに切ってしまう
墨付けでは、「測る → 線を引く → 確認する」。このひと手間が失敗を防ぎます。
慣れてくると自然にできるようになりますが、初心者のうちは「丁寧すぎるかな?」くらいがちょうどいいです。
❷切断作業に使う道具

切断作業は、DIYで材料を使える形にするための中心的な工程です。
木材を切る主な方法と特徴
木材の切断方法にはいくつか種類があり、用途によって向き・不向きがあります。
それぞれの詳しい特徴や違いについては下記記事を参考にしてみてください。
手ノコと電動工具の違い
手ノコは安全性が高いですが、綺麗な切断が難しく、作業速度が遅いというデメリットがあります。
一方、電動工具は安全のために正しい扱い方を理解する必要がありますが、短時間で正確な切断が可能となっており、本格的なDIYを行うには必須となってきます。
切断精度を上げるためのポイント

切断で失敗しやすい原因は、道具の性能よりも準備不足であることがほとんどです。
精度を上げるために意識したいポイントは次のとおりです。
一度、丸ノコで真っ直ぐ切る方法を解説した下記記事を見ていただくと、丸ノコを使うイメージも付きやすくなるかと思います。
❸穴あけ作業に必要な道具

穴あけ作業は、DIYではほぼ必ず行う基本作業です。
ビス止め・ボルト固定・位置決めなど、用途はとても多く、正しく穴があけられるかどうかで作業のやりやすさが大きく変わります。
穴あけ作業の用途と基本
DIYで穴あけをする目的は、主に次の3つです。
- ビスやボルトを通すための下穴をあける
- 材料同士の位置を正確に合わせる
- 割れやズレを防ぐ
いきなりビスを打ち込むと、木材が割れたり、狙った位置からズレたりしやすくなります。
そのため、事前に穴をあけておく(下穴)のが基本です。
穴あけ作業は「墨付け → 固定 → 垂直に穴をあける」という流れで行います。
電動ドライバー・ビットの選び方
⚫︎電動ドライバ−

DIYで使う電動ドライバーには”インパクトドライバー”と”ドリルドライバー”の2つが挙げられ、初心者におすすめなのはインパクトドライバーです。
また、電動ドライバーのビットを交換することで、ねじ締めと穴あけの両方ができます。
電動ドライバーを選ぶときのポイントは次のとおりです。
- メーカー
- トルク(150N・m以上で高い)
- 電圧(10.8V〜18V程度で十分)
電動工具メーカーでは、マキタ、ハイコーキが国内で高い信頼・人気を誇り、DIYだと京セラやボッシュなども上位に入ってきます。
締め付け力を表す目安としてトルクがあり、DIYだと150N・m以上であれば十分高く、バッテリーの電圧を目安にする場合は、10.8V〜18Vの範囲であれば大体の作業は問題なくこなせます。
⚫︎ドリルビット

ビット(刃先)には木工用や鉄工用があり、用途に合ったものを使います。
無理に1本で済ませようとせず、サイズ違いを数本揃えておくことで、臨機応変に対応できるようになります。。
失敗しにくい穴あけのコツ
穴あけでよくある失敗は「滑る・ズレる・斜めになる」です。
これを防ぐポイントを押さえておきましょう。
穴あけは慣れるほど簡単に感じますが、初心者のうちは丁寧さが最大のコツです。
「きれいに穴があく」だけで、その後のビス止めや組み立てが驚くほど楽になります。
❹研磨・仕上げ作業に使う道具

研磨・仕上げ作業は、DIY作品の見た目・触り心地・安全性を整えるための工程です。
使う道具は次のようなものがあります。
表面を綺麗にしたり角を丸くするだけなら、特別な道具がなくても紙やすりだけで十分きれいに仕上げることが可能です。
研磨作業が必要な理由
切断や穴あけをした木材の表面は、
目には見えなくてもささくれや段差が残っています。
研磨を行うことで、
- 手触りが良くなる
- ささくれによるケガを防げる
- 塗装やオイルがきれいに仕上がる
といったメリットがあります。
「とりあえず形になったからOK」と思っても、最後に研磨をするかどうかで完成度は大きく変わります。
紙やすり・電動サンダーの使い分け
表面の仕上げなら、紙やすりだけでも問題ありませんが、電動サンダーと使い分けることでより効率的に作業できるようになります。
⚫︎紙やすり

紙やすりは、小さい材料や細かい部分の研磨などに向いています。
四角い木材に巻きつけて磨くことで、ペーパーのみの作業に比べて精度や効率が上がり、角や細部の整えにも便利です。
⚫︎電動サンダー

広い面を短時間で均一に研磨できるのが特徴で、身体的負担を減らすことができます。
また、電動サンダーには「ランダムサンダー」や「オービタルサンダー」などといった種類があり、DIYではランダムサンダーを使うのがおすすめです。
仕上がりを良くする研磨の考え方
研磨で大切なのは、一気にきれいにしようとしないことです。
やすりには「#60」「#400」「#1000」などの番手(ばんて)があり、数字が小さいほど粗く削れ、大きいほど細かく仕上がります。
そのため研磨作業を複数回に分け、粗い番手から細かい番手へと段階的に変えていくことでツルツルで滑らかな仕上がりになります。
最後に粉を拭き取り、触って確認します。この研磨作業が、DIY作品をワンランク上に仕上げてくれます。
❺作業を安全・快適にするための補助道具

DIYでは、切る・穴をあけるといった作業だけではなく、作業環境を整えることも大切になってきます。
補助道具は「なくても作業はできるけど、あると失敗しにくい」そんな役割の道具です。
初心者こそ、最低限の補助道具を意識することで、DIYが一気に楽になります。
クランプ・作業台の重要性

DIYでよくある失敗やケガの原因は、材料が動くことです。
- 切断中に材料がズレる
- 穴あけ中に手元が不安定になる
これを防ぐのが、材料をしっかり固定してくれるクランプと作業台です。
特にクランプは、「もう一本あればよかった」と感じる場面が必ず出てきます。
保護メガネ・手袋などの安全装備
DIYでは、小さな木屑や破片が思わぬ方向に飛ぶため、目や手を守るための装備は必須です。
- 保護メガネ
切断・穴あけ・研磨時の目の保護 - 手袋(※回転工具使用時は着用しない)
材料のトゲやケガ防止 - 防塵マスク
木粉の吸い込みを防ぐ
「慣れてから使う」のではなく、最初から使う習慣をつけることが大切です。
集塵機・ブロワーで木屑対策

DIYを続けていると、作業後に周辺が木屑や木工粉塵だらけになってしまいます。
木屑問題は、目や鼻など身体に負担がかかるだけではなく、安全性にも繋がってくるため、作業後は清掃が大切になります。
綺麗な環境を保つためには、集塵機やブロワーなどの使用が効果的であり、DIYを行うのであればどちらかは持っておきたいアイテムです。
DIY初心者はここから揃えればOK|最低限の道具まとめ
DIYを始めるときに一番悩むのが、「何をどこまで揃えればいいのか分からない」ことです。
ですが、最初から完璧に揃える必要はありません。
基本の作業ができる道具だけあれば、DIYは十分始められます。
ここでは、これまで紹介してきた作業内容をもとに、「まず必要な道具」と「慣れてから追加したい道具」を分けて整理します。
まずはこれだけあれば始められる
初心者が最初に揃えるべき道具は、ほとんどのDIY作業をカバーできる最低限のセットです。
このセットがあれば、棚・簡単な台・小物製作などは問題なく行えます。
慣れてきたら追加したい道具
DIYに慣れてきて、「もっときれいに作りたい」「作業を早くしたい」と感じたら、次の道具を検討するとよいです。
これらは、必要になったタイミングで少しずつ追加するのが正解です。
工具が増えたらフレンチクリートで収納

DIYを続けていると、電動工具やドリルビットなどが少しずつ増えていきます。
そんなときにおすすめなのが、フレンチクリートという壁掛け収納です。
フレンチクリートは、斜めにカットした木材を使った壁掛け収納システムで、壁に引っ掛けているだけの構造のため、設置位置を簡単に変えられるのが特徴です。
作業効率も上がりますので、収納に困った際は下記記事を参考にしてみてください。
まとめ|作業内容を知ればDIYはぐっと始めやすくなる
DIY初心者がつまずきやすい理由は、「センスがない」「工具が足りない」ことではありません。
多くの場合、どんな作業があって、何をすればいいのか分からないただそれだけです。
この作業の流れを知っていれば、道具選びに迷いにくくなり、「今、自分は何のためにこの道具を使っているのか」も分かるようになります。
最初から完璧を目指す必要はなく、できる作業から一つずつ経験していくことで、DIYは少しずつ身近で楽しいものになっていきます。
作業内容が分かれば、DIYはぐっと始めやすくなりますよ。















