
他のブログや動画でよく紹介されているトリマー用のサークルカット治具は、トリマー本体にプレートをネジ止めして使う方法が一般的です。
しかしこの方法だと、治具の取り付け・取り外しに手間がかかってしまいますよね。
そこで本記事では、テンプレートガイドを使ってネジ止めを不要にすることで、トリマーへの取り付けが格段に楽になる「サークルカット治具の作り方」をご紹介します。
工具の扱いに慣れていない方でも簡単に扱える方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。
サークルカット治具とは?

サークルカット治具は、トリマーに取り付けて、一定の半径を保ちながら綺麗な円をくり抜くための補助道具です。
通常、トリマーでサークルカット(円切り加工)をする際は、トリマーのベースプレートと治具をネジで固定して使用します。しかしこの方法では、ネジ止めが面倒だったり、トリマー本体に加工が必要だったりと、やや手間がかかるのが難点です。
そこで今回は、テンプレートガイドを活用し、ネジ止めを不要にしたサークルカット治具の作り方をご紹介します。
この方法なら、トリマーへの取り付け・取り外しがとても簡単で、手軽に円形の加工が可能になります。
今回紹介する「テンプレートガイド式」の特徴

- ネジ止め不要でトリマーに簡単着脱
- 作業後もすぐに元の状態に戻せる
トリマーに取り付けたテンプレートガイドを、治具の穴にはめ込むことだけで固定することができるため、簡単につけ外しができるようになります。
これによって、より手軽にサークルカットが可能となります。
ただし、テンプレートガイド自体を取り付ける作業は必要になります。

ハイコーキの”M3608DA”だと他のトリマーよりもテンプレートガイドがつけやすく、今回紹介するサークルカット治具ともより相性が良くなっています。
”片手操作できる仕様”や”スピード調整機能”など、かなり性能が高いモデルとなっていますので、より使いやすいトリマーを求めている方には非常におすすめとなっていますよ。
用意するもの
木材の種類はしなりなどがなければMDF材など、どの種類でも問題ありません。
ただ、木材の厚みが薄いと、ピンやノブボルトが取り付けられなくなるため、10mm前後ある方が作りやすいです。
アルミ平板
アルミ平リベット
作り方手順(4ステップ)
手順1: 木材をカット

トリマーのベースプレートサイズに合わせて木材をカットしていきます。
ちなみに私は手を抜いて四角形型にしましたが、くさび型(三角形型)にした方が回転させやすく、視認性のアップや軽量化などのメリットがあります。
そのため、ごく僅かな差ではありますが合理的な形状となっています。
手順2: スライド式のピンを作る

アルミ切断用の刃で細長いアルミ平盤を5㎝くらいにカットし、平リベットが埋め込めるように電動ドリルを使って穴をあけます。
平リベットの頭も埋め込まれるように皿取りを行い、接着剤を使って固定します。
また、アルミなどの硬い素材に穴あけをする際は、ポンチという工具で穴あけ位置に凹みをつけてあげる必要があり、ポンチを使わずに穴あけしようとすると目標とずれてしまう可能性が高くなります。
そのため、正確な穴あけを行うには、まず、ポンチでしっかりと印をつけるようにしましょう。
ボール盤があると正確な穴あけが可能に!

ドリルドライバーでの穴あけは、結構ズレたり斜めになったりしてしまいますよね。
そんなときは、垂直で正確な穴あけをすることができるボール盤の使用が非常におすすめで、中でも京セラの”TB-1131K”は精度が良く、コストパフォーマンスに優れています。
私も最初は電動ドリルで頑張っていましたが、いざボール盤を使ってみると精度の高さや楽さが段違いで、精密な作業に欠かせない工具だと痛感しました。
手順3: ノブボルトを取り付ける

手順2で作成したスライド式のピンを任意の位置で固定するために、ノブボルトを使用します。
そのためには、ピンが差し込まれているアルミ材の中央にタップドリルを使ってねじ穴(タップ穴)を作成します。
通常のドリルで開けた穴はただの「通し穴」ですが、
タップドリルで開けた穴にはネジ山が切られており、ボルトを直接ねじ込むことができます。
これにより、ナットなどを使わずにアルミ材にボルトをしっかり固定できるようになります。
ノブボルトは木材の厚みに合わせた短めのものを使います。
ノブボルトを自作してみたい方は、下記記事で作り方を解説していますので参考にしてみてください。
手順4: 溝と穴を作る

①アルミ平盤をスライドさせる溝作り
電動トリマーを使ってアルミ平盤の幅や厚みに合わせた溝を掘っていきます。
この溝は、上記画像で貫通させていない部分の溝となります。
溝のサイズが少しでも大きかったり小さかったりすると、正確な円切り加工ができなってしまいますので、丁寧に作業してください。
②ノブボルトを取り付けるための溝作り

①で掘った溝の中央部分に貫通させた溝を掘っていきます。
溝の幅はノブボルトが通る程度にしておきます。
また、貫通させる溝の両サイドは溝掘りしないように注意しましょう。
③テンプレートガイドをはめ込むための穴作り

お使いのテンプレートガイドのサイズに合わせた穴を、サークルカット治具の中央ラインに開けます。
この穴がぴったりでなければ、円切り加工するときにブレてしまい、歪んだ円形になってしまいますので、ぴったりサイズの穴を開けるようにしましょう。
完成

木材とアルミ平板で作ったプレート型のピンを取り付ければ完成です。
メジャーテープなどを貼ると、わざわざ測らなくても好きな円形サイズに調整しやすくなりますよ。
実際の使い方
- サークルカット治具にトリマーをはめ込む
- 治具のピンを円の中心に刺す
- トリマーを作動させ回転させる

テンプレートガイドを取り付けたトリマーを、サークルカット治具の穴にはめ込みます。

次に、治具のピンを円の中心にしっかりと刺し、トリマーを作動させて時計回りに回転させれば円切り加工ができます。
円切り加工した作品例

正確な円切り加工ができるようになると、DIYの幅が大きく広がっていきますので、サークルカット治具はとても重宝されます。
私はペットを飼っているのでサークルカット治具を使って餌台入れなどを作ったりしましたので、ご興味ある方は下記記事をご参照ください。