
左官作業で欠かせない「左官鏝(さかんこて)」は、種類も多く形状もバラバラ。作業のたびにどこに置いたか迷ってしまったり、傷つけてしまったりした経験はありませんか?
そんなときにおすすめなのが左官鏝専用の収納ボックスで、この記事では、DIY初心者の方でも簡単にできる「左官鏝収納ボックス」の作り方を解説します。
左官鏝はどう収納する?収納に困る理由
◾️形・サイズがバラバラ

左官鏝には、仕上げ鏝・中塗鏝・角鏝・レンガ鏝・土間鏝など、作業内容に応じたさまざまな種類が存在します。それぞれ長さや幅、形状が異なるため、一般的な工具箱や引き出し収納では収まりきらず、ごちゃごちゃになりがちです。
そのまま積み重ねて保管してしまうと、使いたい鏝がすぐに見つからなかったり、必要なときに取り出せず作業の効率が落ちてしまうことも。収納ボックスを自作することで、鏝の形に合わせた仕切りやスペースを設けられ、すっきりと整理整頓できます。
◾️刃先を傷つけやすい
左官鏝はわずかな欠けやゆがみでも、仕上げ作業に影響が出るほど繊細な工具です。
しかし、無造作に収納したり、ほかの工具と一緒に保管していると、金属同士がぶつかって傷めてしまうことがあります。
専用の収納ボックスであれば、1本ずつ仕切って収納できるため、傷やゆがみを防げます。
DIYで収納ボックスを作るメリット

ぴったりサイズで保管できる
既製品の収納ケースでは、左官鏝の形状や長さに合わないことも多く、ガタついたり無駄なスペースが生じがちです。
しかしDIYで作る収納ボックスなら、手持ちの鏝の本数やサイズに合わせて仕切りや深さを調整できるため、無駄のないぴったりな収納が実現します。
作業後すぐに整理整頓できる
作業後は、つい鏝をそのまま置いてしまいがちですが、専用の収納ボックスがあれば「戻す場所が決まっている」ので、自然と整理整頓の習慣がつきます。
道具を大切に扱う意識も高まり、結果的に鏝の寿命を延ばすことにもつながります。
道具としてもかっこよく見せられる
DIYで作った収納ボックスは、ただの整理箱ではなく、左官鏝の魅力を“見せる収納”として活かすこともできます。
木材や金具にこだわれば、無骨でプロっぽい雰囲気にすることも。
「きちんと整理されている=かっこいい」という印象を与えるだけでなく、自分のDIYモチベーションも高まりますよ。
左官鏝収納ボックスの作り方
必要な材料と道具

左官鏝収納を作るには、丸ノコを使った切断と電動トリマーを使った溝掘りがメイン作業となります。
電動トリマーとは、回転するビットを使って木材の縁や表面を削るための工具で、作業の幅を大きく広げてくれる非常に便利な工具です。
詳しい使い方については「電動トリマーでできる6つのこと」について解説したこちらの記事をご参照ください。
また、テーブルソーがあると正確かつ楽に木材を切ることができますので、ご興味ある方は作り方を解説した下記記事を参考にしてみてください。
組み立ての手順(写真付き)
①材料のカット・研磨

合板でボックス(直方体)を作っていくので、5面分の板と仕切り3枚(任意)を用意していきます。
ボックスの高さは、鏝の最大長さ+余裕3〜5cmを目安に設定しておきましょう。
木材のカットには丸ノコを使うのが効率的で、仕上がりも綺麗になります。
DIY用では、性能と価格の観点からマキタのM565がおすすめですよ。
②仕切りを取り付けるための溝掘り

電動トリマーで向き合う側面の板に、仕切りを取り付けるための溝を掘っていきます。
仕切りを取り付けたときに歪んでしまわないよう、溝の位置はしっかりと測定して掘るようにしましょう。

溝を複数作っておけば、仕切りの位置を変えることもできますよ!
🔹 コスト重視・DIY用途なら:京セラ(旧リョービ) MTR-42
- 価格が手頃でコスパ最強
- 軽量・コンパクトで取り回しやすく、初心者でも扱いやすい
- 簡単な面取りや溝掘りなど、基本的な加工に対応
コスパの良さからDIYでも圧倒的な人気を誇り、初めて電動トリマーを使うという方におすすめです。
🔹 高性能&使いやすさ重視なら:HiKOKI(ハイコーキ) M3608DA
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上記のMTR-42と比べてもかなり静音性が高く、使いやすさ性能に関しては電動トリマーの中でもトップクラスです。
価格はそれなりにしますが、静音性や回転速度の調整など、むしろ初心者の方が使いやすくておすすめできる電動トリマーです。
③組み立て・仕切りの設置

木材の加工が完了したらネジで組み立てていきますが、綺麗に仕上げるための2つのポイントを紹介していきます。
・皿取りでネジを埋め込む

板同士を繋げる際、ネジでしっかりと固定していきますが、ネジ部分が出っ張ってしまわないように皿取りを行いましょう。
皿取りをするだけで、見た目や手触りが格段によくなりますよ!
※皿取りとは、ねじの頭が材料から出っ張らないように削って沈める加工のこと
・接合分がズレないように固定する

ボックス型に組み立てる際、よくズレてしまうという方はコーナークランプを使うと綺麗にビス止めすることができるようになります。
④仕切り板の加工と設置

仕切り板に鏝を差し込むための穴を作っていきます。
ジグソーや、丸ノコなどでもできますが、電動トリマーが1番綺麗かつ簡単にできます。
仕切り板の加工が完了したら、ボックスの溝にはめ込みます。
⑤仕上げ(面取りや取手の設置)

ボックスの角が気になる場合は、電動トリマーで面取りをしてあげると柔らかい仕上がりになります。
また、最後にロープや木材などで取手を取り付けてあげれば、持ち運びも楽になります。
まとめ|収納ボックスで左官鏝をスッキリ整理しよう

左官鏝は種類が多く、形やサイズもバラバラなので、収納方法に悩む方も多いはず。ですが、自作の収納ボックスを作ることで、ぴったりサイズで安全・効率的に保管できるようになります。
DIYで鏝の数があまりないという方も、ボックスのサイズを小さくすればご自身にあった収納になりますので、ぜひ自分だけの左官鏝収納ボックスを作ってみてください。