
花壇や菜園をDIYで作ろうと思っても、「雑草が多い」「デザインがうまくまとまらない」など、さまざまな悩みが出てきますよね。そんなときにおすすめなのが「レイズドベッド(立ち上げ花壇)」です。
ちょっとしたスペースをおしゃれに演出できるのが魅力で、使う素材や作り方のバリエーションも豊富となっています。
この記事では、木材・レンガ・コンクリートブロックなどを使ったレイズドベッドの作り方を6パターン紹介していきます。
「どの素材で作るか迷っている」「おしゃれで実用的な花壇を作りたい」そんな方はぜひ参考にしてください!
レイズドベッドとは?

レイズドベッドとは、地面よりも一段高く土を盛って囲った花壇や菜園スペースのことを指します。木枠やレンガ、ブロックなどで周囲を囲い、その中に土を入れて植物を育てるスタイルです。
一般的な花壇や菜園に比べて、以下のようなメリットがあります。
● 水はけが良く根腐れしにくい
高さのある構造により排水性が良くなり、雨の後も土がジメジメしにくいため、根腐れのリスクを軽減できます。
● 土をコントロールできるので雑草・害虫対策にも
新しい土を入れられるので、雑草の種や害虫が少なく、管理しやすいのが特長です。防草シートやネットと併用することで、さらに快適な環境を作れます。
● 腰をかがめず作業できる
高さがあるため、植え付けや収穫、草取りなどの作業を立ったままで行いやすく、腰への負担が少ないのも魅力です。高齢の方やお子さまにも扱いやすくなります。
● デザイン性が高く、庭がすっきり見える
素材や形を工夫することで、ナチュラルなガーデンやモダンな庭にも調和し、庭全体をおしゃれに引き締めてくれます。
レイズドベッドを作る前のポイント
レイズドベッドは見た目も実用性も高い花壇・菜園ですが、作る前にいくつか確認しておくべきポイントがあります。事前に計画しておくことで、後のメンテナンスや植栽もスムーズになります。
■ 土地の条件を確認(排水・日当たり)
設置する場所の「排水性」と「日当たり」はとても重要です。
特に水はけが悪い場所では、いくらレイズドベッドを高くしても効果が半減します。雨が降った後に水が溜まりやすい場所は避けるか、砕石などで下地の排水改善をしておきましょう。
また、育てたい植物によって日当たりの良さも大事なポイント。家庭菜園なら「一日5〜6時間以上の日照」が目安になります。
■ 高さは20〜40cmが目安
レイズドベッドの高さは、20〜40cm程度が一般的です。
20cm程度でも十分に土を盛ることができ、水はけや見た目のスッキリ感も確保できます。
ただし、腰をかがめず作業したい場合は30〜40cm以上の高さがおすすめです。
一方で、あまり高くすると土の量や枠の強度が必要になるため、施工やコストが増える点にも注意しましょう。
■ 中に入れる土や防草対策も事前に考えておく
レイズドベッドの中に入れる土は、植物の種類に合わせて選ぶ必要があります。
市販の培養土を使う場合でも、水はけ・保水性・栄養バランスなどを考慮してブレンドするとよいでしょう。
また、地面からの雑草を防ぐために防草シートを敷くのがおすすめです。
その上に砕石を敷いて排水性を高めると、さらに快適なレイズドベッドが完成します。
レイズドベッドの作り方7選
① 木材で作るレイズドベッド(定番・ナチュラル)

- 2×4材などで枠を作る
- 防腐処理が必要
木材の加工
色々な作り方はありますが、簡単なのは2×4材などをネジで取り付けていく方法です。
まず、電動ドライバーを使って4本の角材に2×4材を貼り付けていきます。
枠を組むとき、それぞれ片方だけを“かぶせる”ように組んでいけば、2×4材は全て同じ長さで済みますので、より作業を簡易化できます。
木材のカット方法は、丸ノコやジグソー、手ノコ、卓上マルノコなどがありますので、詳しくはこちらのおすすめカット工具を紹介した記事を参考にしてみてください。
防腐処理

木材は水に弱く、外に置いておくと腐ってしまうため、長期的に使用するためにも防腐処理が必要になってきます。
防腐剤には安全性が高く、確かな防カビ・防虫効果を兼ね備えた木材保護塗料”キシラデコール”がおすすめで、目隠しフェンスやウッドデッキなどにもよく使われています。
ただし、家庭菜園などを目的としている場合は、防腐剤による安全性について注意が必要です。
その場合は人工木やプラスチックなどを使ったガーデンフレームを使うようにしましょう。
② レンガで作るレイズドベッド(かわいい&味わい深い)

- モルタル不要の積み上げ型も可能
- 長く使えてメンテナンスも楽
レンガを使ったレイズドベッドは、花との相性もばっちりで、庭を可愛らしい雰囲気のレイアウトに仕上げてくれます。
また、木材よりも耐久性が高く、そのままでも長く使用することができます。
モルタルを使って積み上げていくことでより頑丈に固定してくれますが、高く積まないのであれば、モルタルを使わなくてもできます。
③ コンクリートブロックで作る(頑丈・低コスト)

- シンプルで施工も簡単
- 植栽穴を活用するデザインも◎
高さを出しつつ、丈夫なレイズドベッドを作りたい場合には、コンクリートブロックを積んで作るのもおすすめです。

ブロックを積んだままの見た目だど、少し地味な仕上がりになってしまいますが、ジョリパットという塗り壁用の仕上げ材を使えば、様々なおしゃれデザインに仕上げることができます。
下記記事を参考にしていてだければDIYでもおしゃれに作ることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
④ 枕木で作る(重厚感・おしゃれ)

- 耐久性が高い
- 雰囲気のある庭にぴったり
耐久性が高く、虫もつきにくい枕木を使ってレイズベッドにする方法があります。
他のレイズドベッドと比べて、DIYの手間も少なく、楽に作りたい方におすすめです。
また、下記のような防腐処理された枕木も販売されており、長くおしゃれな状態を維持してくれますよ。
⑤ ストーンレイズドベッド(自然石で高級感アップ)

- ナチュラルガーデンに合う
- 石積みは手間がかかるが雰囲気◎
石積みで作ったレイズドベッドは自然でおしゃれなお庭を作ってくれます。
やや手間はかかってしまいますが、基礎をしっかり作ればDIYでも丈夫かつ綺麗にに作ることができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
具体的には「穴掘り→砕石入れ→モルタルを敷いて石を固定」という作業なので、難易度はそこまで高くないですよ。
⑥ 自作キット・市販キットを活用(手軽に始めたい人向け)

- ホームセンター・通販で手に入る
- 樹脂製・金属製など種類豊富
手軽で丈夫なレイズドベッドをお探しの方には、樹脂製のセット品がおすすめです。
木材のようなナチュラルな見た目で、庭やベランダにも自然に馴染みます。耐久性が高く、雨や湿気にも強いため、長期間使えるのが大きな魅力。
さらに、工具不要で組み立てが簡単な製品も多く、初心者でもすぐにガーデニングを楽しめます。おしゃれで実用的なガーデンアイテムとして、今注目されています。
レイズドベッドの中身と土づくり

水はけをよくする構造(砕石・防草シート)
レイズドベッドでは、水はけの良さが植物の成長を左右します。特に底面に工夫を加えることで、根腐れやカビを防ぐことができます。
- 砕石(または軽石)を底に敷く:深さ5~10cmほど、ゴロ石や砕石を敷き詰めることで排水性がアップします。
- その上に防草シートを敷く:土の流出を防ぎつつ、雑草の侵入も防止。シートは端までしっかり敷いてください。
- 最上層に培養土:土が砕石に流れ込まないように、境目には園芸ネットなどを使っても◎。
家庭菜園向きの土の配合
家庭菜園に適した土は「水はけ・通気性・保水力・栄養」のバランスが大切です。
- 基本配合(目安)
- 赤玉土(小粒):5割
- 腐葉土または完熟たい肥:3割
- バーミキュライトやパーライト:2割
市販の「野菜用培養土」を使えば手間いらず。元肥入りなら、すぐに植え付けも可能です。
花壇用の土との違い
比較項目 | 家庭菜園の土 | 花壇用の土 |
---|---|---|
通気性 | 高め(根腐れ防止) | ややふかふか |
栄養分 | 多め(肥料重視) | 中程度 |
pH | 野菜により調整必要 | おおむね中性 |
雑草対策 | 防草・マルチ推奨 | 必須ではない |
花壇向きの土は、見た目や香り重視の花に適したふかふかした土が主流です。一方、野菜はより栄養や水分の管理が求められます。
おしゃれに仕上げるコツ
DIYの楽しさのひとつは「見た目の仕上がり」。以下の工夫で見栄えをワンランクアップさせましょう。
縁のデザイン・色・素材を揃える
- レンガ・ブロック・木材など、使う素材を統一するとまとまりが出ます。
- 色味を周囲の庭と合わせると、浮かず自然に調和します。
- 角を丸くしたり、縁にモザイクタイルや装飾レンガをあしらうのも◎。
レイアウト例や周囲とのなじませ方
- 複数のレイズドベッドを段違いに配置して立体感を出す
- 通路にウッドチップや平板を敷いて“ガーデン感”を演出
- 植物の背丈を計算して、奥に高い植物、手前に低い植物を
植栽の組み合わせも大事
- 野菜とハーブ(バジル・パセリ)を混植すると虫除け効果も
- 色味や開花時期の異なる草花を組み合わせると、季節ごとの彩りに
- 収穫時期がバラけるように植えると、長く楽しめて便利
まとめ
レイズドベッドは、土づくりから構造、見た目までこだわることで、より理想に近い花壇や家庭菜園を実現できます。
目的に合った素材と土を選び、自分だけのガーデンスペースをDIYで作ってみましょう!