
木材や家具のネジが「スカスカ回って締まらない…」という経験は、DIYをしていると誰でも一度はあります。
この記事では、DIY初心者でもすぐに試せるねじ穴の修復方法6選をわかりやすく解説していきます。
ネジ穴が緩む原因

木材の劣化・乾燥によるゆるみ
木材は時間が経つと乾燥・収縮し、内部の繊維が弱くなるため、ネジをしっかりつかむ力が低下します。
屋外の棚やフェンス、室内でも湿度変化が大きい場所では特に緩みやすく、ネジ穴が広がったような状態になってしまいます。
繰り返しの締め直しによる穴の広がり
ネジが緩むたびに締め直すと、ネジ山が木材の繊維を削ってしまい、少しずつ穴が大きくなります。
見た目では分かりにくいですが、何度も締めたり外したりすることで確実にネジ穴は弱くなっていきます。
電動ドライバーの締め付けすぎによるダメージ
電動ドライバーはパワーが強く、必要以上に締め込むことで木材内部の繊維をつぶしてしまいます。
見た目では分かりませんが、内部のネジを引っかける力が弱まり、結果としてネジ穴が緩む原因になります。
トルク調整を使う、最後は手締めに切り替えるなど、締めすぎ防止が大切です。
負荷のかかりすぎ・サイズ不一致のネジ
棚の天板や扉の蝶番など、重さや動きの負荷が集中する部分はネジが緩みやすくなります。
また、穴に対して細すぎるネジ・短すぎるネジを使っている場合も、固定力が不足して緩みの原因に。
適切なサイズのネジを使わないと、ネジ穴がすぐにダメージを受けてしまいます。
ねじ穴が緩んだときの対処法6選
① 爪楊枝・木片を詰めて締め直す(手軽で初心者向け)

緩んだネジ穴の中に木工用ボンドを入れ、数本の爪楊枝や細い木片を差し込でからネジを締め直すだけの簡単修復方法です。
穴の隙間を木片で埋めることで、ネジが再びしっかり噛むようになります。
軽い棚や小物家具ならこの方法で十分対応できます。
② 太いネジ・長いネジに交換する
ネジ穴が少しだけ広がった程度なら、元のネジより太い・長いものに交換するだけで固定力が回復します。
特に長いネジは、木材の奥の方の締まりやすい部分まで届くため、強度が出ます。
ただし、太さを上げすぎると木材を割りやすいため、1サイズ程度の太さアップに留めるのがポイントです。
③ ダボを埋めて穴を作り直す

緩んだネジ穴を一度ドリルで拡大し、木栓(ダボ)を差し込んで穴そのものを作り直す方法があります。
スターエムの皿取錐&埋木錐があれば、自分でダボを簡単に作ることができ、そのダボのサイズにあった穴あけもできます。
ネジ穴隠しとしても使えるため、ワンランクの上の仕上げを目指す方にもおすすめとなっています。
④ 鬼目ナットで金属ねじ山にする
木材側のねじ山を金属製に変え、ボルトで固定する方法です。
鬼目ナット(埋め込みナット)やインサートナットを使うと、金属ねじ山になるため、繰り返しの取り付け・取り外しでも緩みにくくなります。
強度も非常に高く、DIY家具・棚・治具の固定などに広く使われています。
⑤ 樹脂アンカーを埋め込んで補強する
ネジ穴に樹脂アンカーを差し込むことで、ネジがアンカーの中で固定され、穴が広がった木材でもしっかり締められるようになります。
⑥ 金属類には結束線を入れる
金属等のネジ穴が緩んでしまった場合は、結束線を入れてからネジを締め直すのが有効です。
結束線とは、鉄筋を結ぶ際に使用されているもので、外構DIYで基礎を作る際にもよく使用します。
修復方法を選ぶポイント
用途(家具・棚・治具)で必要な強度を判断
ねじ穴の修復は、使う場所によって求められる強度が違います。
- 軽い棚や飾り家具なら、爪楊枝や木片を詰める簡易補修で十分。
- イス・机・階段材など負荷が大きい部分なら、ダボ埋めや鬼目ナットでしっかり補強するのが安心。
- 治具や作業台のように繰り返し締め直す場所は、鬼目ナットで金属ねじ山にする方法がおすすめ。
再発を防ぐためのネジ選びのコツ
補修後の再発を防ぐには、ネジ選びが重要になることもあります。
そのため、以下を参考にネジを選んでみてください。
- 木材にはコーススレッド(木ネジ)を使う
- 短すぎるネジは効かないため、板厚の2/3程度の長さを目安に
- 柔らかい木材には、太めのネジを使うと抜けにくい
- 力が加わる箇所は、下穴を適切に開けておくことで木割れを防ぐ
まとめ|緩んだねじ穴は簡単なDIYで元通りにできる!
ねじ穴が緩んでも、木材ならほとんどの場合は自分で簡単に直せます。
爪楊枝を詰める手軽な方法から、ダボ埋め・鬼目ナットなど本格的な補強まで、用途に合わせて最適な修復方法を選べば、強度も見た目も元通りに近づけることができます。
正しく補修しておけば、再び緩む心配も少なくなり、家具やDIY作品を長く安心して使えるようになります。




