
近年、空き巣や不審者の侵入などの報道が相次ぐ中、手軽に防犯カメラを入手できるようになったこともあり、自宅に設置する人が増えています。
とはいえ、「本当にうちに防犯カメラなんて必要?」「費用がかかりそう…」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自宅に家庭用防犯カメラを設置する5つのメリットと、自分でできる設置方法(室内の壁や外壁、カーポートなど)をわかりやすく解説します。
自宅の安全を守る第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。
自宅に防犯カメラは必要?7つのメリット

① 犯罪の抑止力になる
防犯カメラが設置されているだけで、空き巣や不審者の侵入をためらわせる心理的な効果があります。
犯罪者は証拠が残ることを嫌うため、カメラの存在が「ここはやめておこう」と思わせるきっかけになります。
特に玄関や駐車場など外から目立つ場所に設置することで、強い抑止力を発揮します。
② 不在時の監視ができる
最近の防犯カメラはインターネットと接続できるタイプが主流で、スマートフォンやタブレットからリアルタイムで映像を確認可能です。
旅行や外出中でも自宅の状況をすぐに確認でき、万が一の異変にも素早く対応できます。
また、通知機能付きのモデルなら、動きを検知した際にスマホにアラートを送ってくれるものもあり、安心感が格段にアップします。
③ 映像を証拠として残せる
防犯カメラの映像は、建造物侵入や不法投棄、器物損壊などの事件や事故などが起きた際に貴重な証拠となります。
警察への提出はもちろん、保険会社への事故報告やトラブルの証明にも役立ちます。
「映像がある」というだけで証言の信ぴょう性が高まり、トラブルの早期解決にもつながります。
④ ご近所トラブルの抑止にも

隣人との騒音やゴミ出しなどのご近所トラブルも、カメラの存在で自然と抑えられることがあります。
直接注意するのは難しいような状況でも、防犯カメラが設置されていることで「見られているかもしれない」と意識され、行動を改めてもらえる効果も期待できます。
実際に私も、毎晩のように自宅敷地内で犬に糞尿をさせる飼い主に悩まされていたのですが、防犯カメラを設置したことで不審な動きを通知でリアルタイムに把握でき、現行犯で注意することができました。
その後はピタッと被害がなくなり、精神的なストレスも大きく軽減されました。
また、実際にトラブルが発生した際にも客観的な証拠として映像を残せるため、安心して対応できます。
⑤ 家族やペットの見守りにも使える

防犯カメラは「防犯目的」だけでなく、家族やペットの見守り用途にも最適です。
たとえば、お子さんが無事に学校から帰ってきたか、玄関前の映像で確認することができます。
また、留守番中のペットの様子を見守ることもでき、必要に応じて話しかけたり、異変に気づいたりすることも可能です。
⑥ 宅配トラブルや置き配盗難の防止
ネット通販の利用が増える中で、「置き配」や「宅配ボックスへの投函」など、非対面の受け取りが主流になっています。
しかしその一方で、荷物の盗難や誤配トラブルも増加しています。
防犯カメラを設置することで、
- 宅配業者の投函状況を録画できる
- 荷物が確かに届けられたかを確認できる
- 盗難時の映像を証拠として残せる
といった荷物トラブルの防止や早期発見につながります。
実際にカメラの存在だけで、犯罪の抑止効果が高まることも多く、「盗まれる前に防ぐ」ことが可能になります。
⑦ 火災や事故など「異常事態の早期発見」
防犯カメラは「防犯」だけでなく、火災や事故、体調不良などの異常事態の早期発見にも役立ちます。
特に高性能なカメラの中には、人の動きや異常な音・温度変化を検知してスマホに通知するものもあります。
たとえば:
- 高齢の家族が転倒して動けなくなった
- 車庫で火災が発生した
- 子どもが思わぬ事故に巻き込まれた
といった時も、早期対応ができるかどうかで被害の大きさは大きく変わります。
日常の見守りとしての利用はもちろん、「いざというとき」に命を守るツールとしても、防犯カメラの設置は有効です。
防犯カメラを選び方!知っておきたい5つのポイント
①屋内用・屋外用の違い
防犯カメラには「屋内用」と「屋外用」があり、それぞれ対応する環境が異なります。
屋外用は防水・防塵性能(IP66以上が目安)や耐候性が求められ、直射日光・雨風・ホコリにさらされても正常に作動する設計です。
一方、屋内用はその分コンパクトで設置が簡単なものが多く、インテリアにもなじみやすいのが特徴です。
②画質・画素数の基準や考え方
防犯カメラを選ぶ際、画質や画素数は非常に重要なポイントで、一般的には「フルHD(200万画素)」あれば、人物の顔や車のナンバーもある程度映せます。
夜間や遠距離での撮影を想定する場合は、3〜500万画素以上や4K対応の高画質モデルを検討してもよいでしょう。
ただし、画質が高くなると録画データの容量が大きくなるため、保存期間やネットワークの速度にも注意が必要です。

ちなみに私は500万画素を使っています!
③録画方式(SDカード/クラウド)
録画データの保存方式は主に2つのタイプが主流です。
- SDカードタイプ:手軽に使えるが、容量が限られ上書きされやすい。専用の高耐久SDカードを使用するとトラブルを防げます。
- クラウドタイプ:スマホでどこでも確認可能。盗難・破壊されてもデータが消えないのが大きなメリット(※多くは有料プラン)。
それぞれの特徴を理解し、用途や予算に合わせて選びましょう。
私の場合はSDカードを使って保存し、有事の際はデータが消えても良いように後からスマホで録画したりしています。
SDカードを使用する注意点として、高耐久SDカードを使うようにしましょう。
防犯カメラは常に上書きが繰り返されていくため負担が大きく、普通のSDカードを使うとすぐに寿命がきて場合によってはデータが壊れてしまいます。
④電源タイプ(有線・バッテリー式・ソーラー)
カメラの電源方式には主に3つのタイプがあり、重要な選定ポイントです。
- 有線タイプ:安定した電力供給が可能。長期間の使用に向いており、録画も安定しますが、設置工事がやや面倒。
- バッテリー式:配線不要で設置が簡単。工事不要で賃貸住宅でも使いやすいですが、定期的な充電が必要です。
- ソーラー式:太陽光で充電でき、電源確保が難しい場所に最適。日照条件によっては別途補助電源も検討。
⑤スマホ連動やアラート機能の有無

最近の防犯カメラは、スマホと連携して映像確認や通知ができる機種が主流になっています。
動体検知や音声検知により、不審な動きを即時にスマホに通知してくれる機能は非常に便利で、防犯ブザーを鳴らしたり、双方向通話が可能なモデルならその場で話しかけることなども可能です。
Wi-Fi環境が整っている場合は、こうしたネットワーク機能付きモデルを選ぶことで防犯力が格段に向上します。
防犯カメラ(室内・屋外)の取り付け方法
◾️「室内用」防犯カメラ

室内用の防犯カメラは、バッテリー式またはコンセント式が主流です。
コンセント式なら安定した録画が可能ですが、設置場所は電源近くに限られます。
一方、バッテリー式は自由に設置できる反面、充電の手間が必要です。
また、設置場所は「玄関の内側」「リビングの一角」「窓のそば」など、侵入経路や異変をすぐ察知できる場所を選ぶと効果的です。
三脚や壁掛けマウント、マグネット固定式など、製品に合わせた取付パーツも活用しましょう。
① 設置場所を決める

事前にカメラの電源を入れて問題がないことを確認します。
商品に問題がなければ、設置場所のコンセント位置やWi-Fiが届くことを確認し、死角が少ない場所に決めておきます。
② 必要な道具・パーツを準備する

天井などに直接打ち込んでも良いですが、板とL字金具を使えば上記画像のようにテーブルを作ることもできます。
L字金具が気になる方は配線カバーで目立たなくすることもできますよ。
あとはカメラを固定するベースの取り付けや配線を通す穴をあければOKです。

防犯カメラを壁に取り付ける際は、「ネジがしっかり効くか」が重要なポイントになります。特に下地がない壁面では、ネジだけだとすぐに抜けてしまうため、「アンカー(プラグ)」を使って固定する必要があります。
アンカーとは、壁の中で広がってネジをしっかりと支えるためのパーツで、多くの場合は防犯カメラの付属品として同梱されています。
▷ アンカーの取り付け手順:
- アンカーよりも少し細いサイズのドリルビットを使い、壁に下穴をあける。
- 穴にアンカーを差し込み、軽くハンマーなどで打ち込む。
- アンカーの上から、防犯カメラの土台をネジでしっかりと固定する。
下地がある壁(木の柱など)の場合はそのままネジ打ちでOKですが、そうでない場所ではアンカーの使用は必須です。知らずにネジだけで固定してしまうと、時間が経つにつれてカメラが落下する恐れがあるため、注意しましょう。
ちょっとした穴あけやネジ締め程度なら、アイリスオーヤマが出す下記電動ドライバーがあれば十分かと思います。

本格的なDIY用なら下記のマキタ製のインパクトドライバーがおすすめです!
③ カメラを固定する

カメラに種類によって若干取り付け方は変わりますが、事前に固定しておいたベースにカメラを装着します。
④ 電源とネット接続を行う

私の場合はコンセントが高い位置にあるため普段は見えないようになっていますが、コンセントが下にあって配線が気になる方は、配線カバーの使用をおすすめします。

配線カバーの色を壁色に合わせるとかなり目立たなくなり、安全性も高まりますよ。
⑤ スマホと連携させる
付属の説明書に従い、スマホと連携させます。
⑥ 映像の角度や画質を調整する
連携が完了したら、撮影角度や画質などの設定を行うことができます。
⑦ 異常時の通知・録画の確認テスト

検知精度や通知の有無の設定、録画の確認などを行い、異常がなければ室内用防犯カメラの設定は完了となります。
夜間でもしっかりと映像の確認ができています。
◾️「屋外用」防犯カメラ

屋外用カメラは、「雨風や直射日光に耐える防水・防塵性能(IP66以上)」を備えたモデルを選び、玄関先・駐車場・庭先などの死角をカバーする場所に取り付けましょう。
屋外で特におすすめなのがソーラー式防犯カメラです。
電源工事や配線が不要で、好きな場所に設置でき、日中に自動充電されるのでメンテナンスも手軽です。
ただし、日陰になる場所や北向きの壁では充電効率が落ちるため、日当たりの良い場所を選ぶことが重要です。

一般的には数ヶ月に1度、コンセントに差して充電する必要がありますが、我が家では数年経っても一度も充電したことがありません。もちろん、毎日十数件〜数十件以上は検知録画されるくらい稼働しています!
① 設置場所を決める
ソーラー式の防犯カメラを選んだ場合は、「日当たり」と「電波状況」が重要になります。
◾️日当たりを考える
ソーラー式は太陽光によって充電するため、日差しがしっかり当たる場所にパネルを設置しないと十分に充電できません。
ただし、ソーラーパネルとカメラ本体が分離されているタイプなら、ソーラーだけを日当たりの良い場所に設置し、カメラ本体は影になっても問題ない位置に設置できます。
◾️Wi-Fiの電波が届くかを事前に確認
屋外は、室内よりもWi-Fiの電波が届きにくくなります。特に壁を挟んだり距離があると通信が不安定になってしまいます。
カメラを設置する前に、スマホなどを使ってその場所で電波強度を確認しておくと安心です。
カメラ本体の異常がないかも確認しておきましょう。
② 下穴をあけてアンカーを打ち込む

ソーラーパネルとカメラ本体を取り付けるためのベースをそれぞれネジで打ち込んでいきますが、サイディング(外壁)にネジを打ち込む際は、アンカーを入れないとしっかり固定ができないことがほとんどです。
そのため、下地がない室内の壁同様にアンカーを打ち込んでからネジを閉めるようにしましょう。
やり方は室内同様、下記手順になります。
- アンカーよりも少し細いサイズのドリルビットを使い、壁に下穴をあける。
- 穴にアンカーを差し込み、軽くハンマーなどで打ち込む。
- アンカーの上から、防犯カメラの土台をネジでしっかりと固定する。
③ カメラを固定する

ネジで固定したベースにカメラ本体を取り付けます。
ベースと本体の取り付けは、基本的に簡単なものが多いかと思います。
④ 電源とネット接続を行う
電源を入れ、ネットの接続を行います。
最初はソーラーで充電されていないため、あらかじめコンセントに差して充電をしておきましょう。
⑤ スマホと連携させる
付属の説明書に従い、スマホと連携させます。
⑥ 映像の角度や画質を調整する

連携が完了したら、撮影角度や画質などの設定を行うことができます。
⑦ 異常時の通知・録画の確認テスト

検知精度や通知の有無の設定、録画の確認などを行い、ソーラーできちんと充電されているかも日数をかけて確認しておきましょう。
カーポートへの取り付けも可能

カーポートの柱や外構の支柱などにカメラを設置したい場合、取り付け金具を使えば、柱に傷をつけることなく固定することが可能です。
クランプ式やバンド固定式の金具を使えば、ネジ穴を開けることなく取り付けられるため、賃貸住宅や後々取り外す可能性のある場所にも適しています。
特に屋外カメラでは、設置位置の自由度を上げるためにも、こうした取り付け方法を検討するのがおすすめです。
設置時に気をつけたいこと
◾️壁内の配線を傷つけないよう注意
防犯カメラを壁に取り付ける際、ビスやドリルで穴を開ける位置に注意しましょう。
壁の中には、電気配線などが通っている可能性があり、誤って傷つけてしまうと感電やトラブルの原因になります。
とくに注意したいポイント:
- スイッチやコンセントの上下周辺は電気配線が集中していることが多い
- 天井近くや床近くの壁内部もケーブルや配管が通っている可能性がある
◾️カメラの設置場所にWi-Fi電波が届くか
防犯カメラを設置する前に、その場所にWi-Fi電波が十分届いているかを必ず確認しましょう。特に屋外用のカメラや敷地の端に設置する場合は、室内よりも電波が弱くなりがちです。
電波が弱い・届かない場合の対処法としては、以下のような方法があります。
- Wi-Fi中継機(リピーター)を使う
Wi-Fi中継機を使えば、電波を中継して電波の届く範囲を広げることができます。屋外の遠い場所でも、安定して通信できるようになることがあります。 - メッシュWi-Fiに切り替える
より広範囲をカバーしたい場合は、複数のルーターでエリア全体を網目状にカバーするメッシュWi-Fiシステムも効果的です。
設置後に「映像が途切れる」「通知が届かない」といったトラブルを避けるためにも、設置前の電波チェックは非常に重要です。
◾️ご近所とのプライバシー問題に配慮
防犯カメラを設置する際は、他人の敷地や玄関、窓などを映さないようにすることが大切です。
意図せずご近所のプライバシーを侵害してしまうと、トラブルや苦情の原因になる可能性もあります。
映像がどこまで映るかは、スマホのプレビュー画面などで事前にしっかり確認し、カメラの向きや角度を調整しましょう。
◾️防犯ステッカーとの併用で効果アップ
防犯カメラを設置する際は、「防犯カメラ作動中」などのステッカーを玄関や門まわりなど目立つ場所に貼ることで、さらに高い抑止効果が期待できます。
犯行を企てる人物に「ここは監視されている」と認識させることで、未然に侵入やトラブルを防ぐことができます。
実際にカメラが設置されていなくても、ステッカーだけで効果があるというケースもあるほどですので、防犯対策として気軽に取り入れやすい手段といえるでしょう。
犯罪の立証や捜査には映像証拠が重要!
「物を壊された」「盗まれた」といった被害を受けた場合でも、証拠や手がかりがなければ、警察の捜査が進まず、泣き寝入りするしかないケースも少なくありません。
しかし、防犯カメラの映像があれば、犯人の特定がスムーズに進み、場合によっては逮捕や被害品の回収といった結果に繋がることもあります。
もちろん一番良いのは、被害に遭わないことです。
そのためにも、防犯カメラによる「犯罪の抑止効果」は非常に有効です。
ご家庭の安全を守る第一歩として、防犯カメラの導入をぜひ前向きに検討してみてください。