
「庭の土がデコボコしていて見栄えが悪い…」「人工芝や舗装をしたいけど、土が整っていない」
そんな悩みを解決するには、まず整地(せいち)が必要です。
整地とは、土の表面を平らに均してキレイに整える作業のことで、難しそうに感じるかもしれませんが、正しい道具と手順さえ押さえれば、DIYでも十分可能です。
この記事では、初心者でも取り組める整地の基本的なやり方と、役立つおすすめ道具7選をご紹介します。
庭づくりの第一歩として、ぜひ参考にしてください!
整地前と整地後を比べてみよう!

施工前は雑草が生え、デコボコとした地面や砂利などが目立っていましたが、整地作業を行うことで見違えるほどスッキリとした印象になりました。
地面が平らになることで、これから人工芝を敷いたり、インターロッキングを施工したりなど、次のDIYステップにもスムーズにつなげることができます。
このように、たとえプロに頼まずとも道具とやり方さえ押さえておけば、自分の手でここまでキレイに整えることが可能です。
整地とは?なぜ必要なのか
◾️庭の整地が必要な理由
「整地」とは、地面の高さを均一にし、凹凸や傾きをなくして平らにする作業のことです。
庭づくりや外構DIYのスタート地点ともいえる作業で、見た目を整えるだけでなく、その後に施工する人工芝や平板、花壇などの仕上がりに大きく影響します。
また、地面の凹凸や異物が多いと、転んだり引っかかったりして怪我の原因にもなってしまいます。
そのため、しっかり整地を行い、安全で美しい庭づくりを作ることが大切になってきます。
◾️放っておくとどうなる?

整地をせずに庭をそのまま放置していると、以下のような問題が発生しやすくなります。
- 水たまりができる
地面の高低差により雨水が一部にたまりやすくなり、ぬかるみの原因に。 - 雑草が生えやすい
凹凸や湿った場所は雑草やコケの温床に。整地で地表を均すことで雑草対策にもつながります。 - 施工トラブルの原因に
人工芝や平板を敷いても凸凹が目立ちやすく、ガタついた仕上がりに。時間とお金をかけたDIYが台無しになってしまいます。
◾️DIYでもできるの?
整地は簡単な道具さえ揃えばDIYでも十分に行うことができます。
必要な道具はスコップやレーキ、水平器、転圧機(または足踏み)などで、すべてホームセンターやネットで手に入るものばかりです。
やや体力は必要ですが、やり方さえ知っていれば難しい作業ではなく、小さなスペースであれば、初心者でもきれいに整地することが可能です。
整地に必要なおすすめ道具7選
庭の整地は、道具選びで仕上がりに大きな差が出ます。ここでは、DIY整地に役立つおすすめの道具を7つご紹介します。
①剣先スコップ|土を掘る・運ぶ基本道具

整地の第一歩は、余分な土を取り除いたり、土を移動させたりする作業から始まります。
また、剣先スコップであれば、根を深く張った雑草を取り除く際にも便利で、楽に掘ることができます。
②レーキ|表面を均すのに便利

土などの表面をきれいに均すための道具で、広い面積を一気に整えるのに便利です。
また、雑草や砂利などの異物を取り除いたり硬い土をほぐしたりすることもでき、整地には欠かせない道具となっています。

新しい砂利や土を均一に広げたいときにも重宝しますよ!
③タンパー(転圧機)|しっかり固める

整地の仕上げに欠かせないのが「転圧作業」です。
土をしっかり締め固めることで、後の沈下や施工物のズレを防ぎます。
そのため、平板舗装や人工芝敷きなど、外構では欠かせないほど重要な作業となっています。
④一輪車|土の運搬に便利

掘り起こした土や、整地用の土を移動させる際に役立つのが一輪車(ネコ車)です。
運搬の手間を大幅に減らし、作業効率が格段にアップします。
また、モルタルやコンクリートを作る・運ぶ際にも重宝されます。
⑤土ふるい|石やゴミを除く

表面に小石や草の根が混じっていると、見た目が悪くなったり施工の妨げになったりします。
「土ふるい」で不要な異物を取り除くことで、よりきれいな仕上がりになります。
特に人工芝や砂利敷きなど、仕上がり重視の整地におすすめです。
⑥水平器|傾きをチェックする

地面がしっかり水平になっているかを確認するために使います。
整地後に「なんとなく平ら」ではなく、正確な勾配や水平を保つことで、排水性や見た目が格段に良くなります。
大きめの水平器なら、広い範囲もチェックしやすくおすすめです。
⑦水糸|高さ・勾配を視覚的に確認

整地の基準となる「高さ」や「水平ライン」を決めるために使うのが水糸です。
上記画像のような「水盛り(水盛り・遣り方)」という方法を使って水の水平を出し、水面の位置を水糸で結ぶことで、正確な水平ラインを作ることができます。
この水糸を基準に、レーキで土を均していけば、地面の高さを均一に保つことが可能です。
また、水はけをよくするために軽い勾配をつけたい場合には、水糸を少し傾けて張ることで、排水を意識した整地も行えます。
DIY整地のやり方|6つのステップで庭を平らに!
ステップ①:雑草・石・不要物の除去

まずはスコップ、レーキ、ふるいなどを使って、整地するエリアの表面にある雑草、石、ゴミなどの不要物を取り除きます。
特に大きな石や根っこは後々の施工に影響するので、しっかり取り除きましょう。
ステップ②:水糸を張って基準をつくる

地面を均一に整えるには「高さの基準」が必要です。
まずは水盛り(水を使った水平出し)で基準となる高さや勾配を決めましょう。
その後、水糸をピンと張ることで、整地作業の目安となるラインをつくることができます。
もし水はけを考慮して勾配をつけたい場合は、水糸をわずかに傾けて張ることで、希望する角度を反映できます。
勾配とは水が自然に流れていくように少しだけ傾けて設計することですが、歩いていてもほとんどわからない1〜2%程度の勾配をつけるのが一般的です。
5mの距離で1%の勾配をつけた場合、端から端までの高低差は5cm(5m×0.01=5cm)となります。
ステップ③:土を均す
余分な土はスコップや一輪車で移動させ、レーキ(トンボ)を使って地面の表面を均していきます。
地面が硬い場合は、レーキで押したり引いたりしながら土を崩し、少しずつ平らにしていくのがコツです。
このとき、水糸のラインを目安に高さを調整しながら作業を進めましょう。
あとで転圧する予定がある場合は、水糸よりも2cmほど高めに整えておくと、転圧後にちょうどよく仕上がります。
ステップ④:水平器で平坦さをチェック

水糸と見た目だけでは平坦かどうか判断しづらい場合は、水平器を使って確認しましょう。
方法としては、地面に真っ直ぐな長い板を置き、その上に水平器を載せてチェックします。
このやり方なら、広い範囲でも傾きや凹凸がわかりやすく、全体のバランスを取りやすくなります。
ステップ⑤:転圧して土を固める

均した土をしっかり締め固めていきます。
この転圧の工程を省くと、後々地面が沈んだり、人工芝や平板などの施工物がズレたりする原因になるため、とても重要な作業です。
効率や精度を考えると「タンパー(転圧機)」の使用がおすすめですが、道具がない場合は足で踏み固めたり、コンクリートブロックなどで叩いて締め固める方法でもOKです。
地面全体にムラなく力が加わるよう、まんべんなく圧をかけていきましょう。
ステップ⑥:再チェックして仕上げ

最後にもう一度全体を見渡して、デコボコや傾きがないかチェックします。
必要があれば再度ならして転圧し、仕上げて完成です!
初心者がやりがちな整地の失敗と対策
■ 凹凸が残る/傾斜がついてしまう
原因: 土を均す際に高さの基準がなく、目分量で作業してしまうため。
対策: 水糸を張って基準ラインを明確にし、水平器やまっすぐな板を使ってこまめに確認しながら均しましょう。作業中にレーキで土を引く方向を変えるのも効果的です。
■ 転圧不足で沈下が起きる
原因: 土を均しただけで締め固めずに施工を終えてしまう。
対策: タンパーやプレートコンパクターでしっかり転圧すること。とくに人が歩く場所や重い物を置く場所では念入りに転圧し、必要であれば複数回行いましょう。
整地後にやっておきたいこと
整地が完了したら、雑草対策と人工芝や砂利敷きなどで、長期間きれいな状態を保ちやすくさせましょう。
せっかく整えた地面が雑草だらけになったり、すぐに崩れてしまったりしないよう、しっかりと仕上げておくことが大切です。
効果的な雑草対策の実施
地面をきれいに整えたあとは、「除草剤を撒く」、「防草シートを敷く」などの雑草対策をしておくのがおすすめです。
◾️除草剤を撒く
整地した場所に、粒剤タイプの除草剤を撒いておきます。
粒剤タイプの除草剤は、新しく雑草が生えてくるの防ぐ除草剤ですので、長期間綺麗な状態を保ちやすくなります。
◾️防草シートを敷く

防草シートを敷いておくことで、雑草の発生を長期に渡って抑えることができます。
防草シートは種類によって性能の差が大きく、ホームセンターに売っている格安の防草シートはすぐに破れたり劣化したりしてしまいます。
そこで、私がおすすめするのは、ザバーン 240G”という種類で、スギナなどのしぶとい雑草にも効果があり、雑草が生えるのを防いでくれます。
また、耐用年数も長く、砂利下など紫外線が当たらない場所であれば半永久的に効果を維持してくれるため、しっかり雑草を抑えたい方にはおすすめです。
防草シートに正しい敷き方については下記記事を参考にしてみてください。
人工芝や砂利などで仕上げる

整地した地面はそのままだと使いにくいですが、人工芝や砂利などを使って仕上げることで、見た目も美しく、機能性も高まります。
特に人工芝を敷く場合は、転圧と整地がしっかりされていると仕上がりの見栄えがぐっとよくなります。
まとめ|整地が成功すれば庭づくりが楽になる!

庭づくりの第一歩ともいえる整地作業です。
面倒に感じるかもしれませんが、しっかり整地しておくことで、その後の施工やメンテナンスが格段に楽になります。
雑草が生えにくくなり、人工芝や砂利も美しく仕上がって快適に使える庭になります。
これから庭をDIYで整えようとしている方は、ぜひ今回紹介した道具や手順を参考に、基礎から丁寧に整地作業を進めてみてください。