
斜面や法面のままではスペースをうまく活用できず、土も崩れやすくなります。
そこで役立つのが「土留め」です。高さ1m未満程度ならDIYでも施工できるので、庭を有効に使いながら崩れ防止が可能です。
この記事では、斜面の土崩れを防ぐ土留めDIYの方法7選をご紹介します。
土留めとは?

土留め(どどめ)とは、斜面や段差の土が崩れたり流れたりするのを防ぐための構造のことです。庭の法面をそのままにしておくと、土が流れ出したり、スペースを有効活用できなかったりしますが、土留めを設けることで平らな場所を作り、庭を使いやすくすることができます。
ここで注意したいのが、土留めの高さです。
基本的に、1mを超える土留めはDIYでは危険が大きいため、専門業者に依頼するのが適切です。
一方で、1m以下の比較的小規模なものであればDIYで施工可能。さらに、ブロック・枕木・レンガなど素材を工夫することで、崩れ防止の機能性と見た目のおしゃれさを両立できるのが魅力です。
DIYでできる土留めの方法7選
① コンクリートブロックを積む

もっともオーソドックスで、強度と安定感に優れた土留め方法がコンクリートブロックです。
基礎をしっかり固めてからブロックを積むことで、長期間崩れにくい構造にできます。
さらに、表面に「ジョリパット」という塗り材を仕上げとして使えば、無機質なブロックをおしゃれな外観に変えることも可能です。
DIYでブロック塀を作ってみたい方は、基礎づくりから積み上げまでを解説した下記記事も参考にしてみてください。
※コンクリートブロックを使った土留めに関する規定は、地域によって異なるためDIY施工前に確認しておくようにしましょう。ブロックに接する土の高さが40〜60㎝までとする場合が多い印象です。
② 枕木を並べる

木の温かみを活かせる人気の土留め方法です。
枕木を縦に埋め込んだり横に並べたりすることで、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を演出できます。防腐処理済みのものや耐久性の高いハードウッドを選べば長持ちし、庭全体のアクセントにもなります。
ガーデニングと相性が良く、植栽との組み合わせでデザイン性を高めたい方にぴったりです。
③ レンガで積み上げる

洋風やナチュラルガーデンによく合う、見た目がかわいらしい土留め方法です。
コンクリートブロックよりも耐久性が低いため、高さは30〜60cm程度に抑えるのが安全です。
花壇の縁取りや段差づくりとしても活躍し、色や積み方を工夫すれば雰囲気を大きく変えられるのも魅力です。
DIYの中でも比較的扱いやすく、デザイン性を重視したい人におすすめです。

ブロック塀同じような作り方で、モルタルでレンガを固定しなめながら積み上げていきます。
④ 自然石を積み重ねる(石積み)

石を組み合わせて積み上げる土留めは、存在感と重厚感があり、庭の雰囲気を一気に格上げしてくれます。
和風の庭だけでなく、ナチュラルガーデンやロックガーデンにもよく似合います。積み方次第で強度や見た目が変わるので少し手間はかかりますが、その分オリジナリティのある仕上がりになるのが魅力です。
画像のように石を積み上げる方法もありますが、下記のような石を斜面に沿って敷く方法もあり、こちらの方が施工方法としては手軽です。
また、防草シートを敷いておくと雑草対策や土の流出対策にもなりますよ。
⑤ ガーデンエッジ・簡易柵を使う

ホームセンターやネット通販で簡単に手に入る資材を使った方法で、最も手軽に挑戦できます。
木製や樹脂製、金属製など種類も豊富で、曲線的な配置も可能です。
花壇や小規模な段差の補強に向いており、ガーデニング初心者にもおすすめです。強度はそれほど高くありませんが、デザイン性を楽しみながら気軽に設置できます。
⑥ 植栽での簡易土留め

根がしっかり張る植物を斜面に植えることで、土の流出を抑える自然派の土留め方法です。
芝生や低木などを使うと見た目も美しく、緑が増えることで庭全体の景観も向上します。
即効性はないため、効果が出るまで時間がかかりますが、長期的に見れば環境に優しく持続可能な方法といえます。
⑦ 土嚢で防ぐ

土嚢を積み上げる方法は、短期間でできる応急処置として最適です。
費用も安く、余った土を使えるため急な大雨対策や仮設的な土留めに向いています。ただし袋の耐久性は高くないため、紫外線などによって徐々に劣化してしまいます。
植栽やほかの資材と組み合わせて使うと見た目や強度も補えるためおすすめです。
DIYで土留めを作るときの注意点
◾️排水性を確保する
土留めは水圧に弱いため、水抜き穴を設けたり、砕石や砂利を裏側に敷いて排水層を作ることが重要です。水が溜まると、どんなに頑丈な構造でも押し出されて崩れるリスクがあります。
◾️強度を意識する
土圧を受け止めるために、少し後ろに傾けて設置する「控え勾配」をとると良いです。また、ブロック塀などは基礎部分をしっかり掘って砕石やモルタルで固めることで、安定性が高まります。
◾️木材は防腐処理を必ず行う
枕木や木製の柵を使う場合は、防腐処理済みの木材を選ぶか、防腐剤を塗布することが必須です。土に直接触れる部分は特に劣化が早いため、耐久性を高めておく必要があります。
まとめ

斜面の土崩れ防止には「土留め」がとても効果的です。
高さ1m以下であればDIYでも安全に施工でき、ブロック・レンガ・枕木・自然石などを使えば、庭の雰囲気に合わせた仕上がりにできます。
機能性とデザイン性を両立させることで、崩れ防止だけでなく庭の活用スペースを広げることも可能です。
無理のない範囲で挑戦して、おしゃれで使いやすい庭づくりを楽しみましょう。