
「庭に花壇を作って家庭菜園やガーデニングを始めたい!」
そんな方におすすめなのが、コンクリートブロックを使った花壇やレイズベッドのDIYです。
今回は、ジョリパットでおしゃれに仕上げる方法まで、初心者にもわかりやすく解説します!
コンクリートブロック花壇の特徴とメリット
なぜブロックが人気なのか?

コンクリートブロックは、手に入りやすく施工も比較的簡単なため、DIY花壇の材料としてとても人気です。ホームセンターなどで1個数百円程度で購入できる上に、サイズや形が統一されているため、積みやすく安定感も抜群です。
また、無機質な見た目を活かしてシンプルでモダンなデザインにも仕上げやすく、ナチュラルガーデンからスタイリッシュな外構まで幅広く対応できるのも魅力です。
木製やレンガとの違い

木製花壇は見た目が温かく柔らかい印象を与える反面、雨や湿気に弱く腐食しやすいのがデメリットです。
また、レンガはおしゃれな仕上がりになりますが、積むのに手間がかかり、費用もやや高くなる傾向があります。
その点、コンクリートブロックは、
- 腐らない
- 白アリなどの害も受けにくい
- 施工性が高く、初心者でもまっすぐ積みやすい
といった特長があり、コストパフォーマンスと扱いやすさのバランスが非常に良い素材です。
耐久性と自由なサイズ設計
コンクリートブロックの最大のメリットは、高い耐久性と自由な設計です。
適切に施工すれば、10年以上しっかりと使える丈夫な構造になります。
また、ブロックの組み方や個数を調整すれば、花壇のサイズや形状も自由にカスタマイズ可能です。
必要な材料と道具
コンクリートブロックのサイズと種類

寸法サイズ 長さ×高さ×厚さ(mm) | ブロックの厚さ | 用途 |
390×190×100 | 10cm | DIYでもよく使われるサイズ。 |
390×190×120 | 12cm | 10cmより耐久性を高めたい場合に使用。 |
390×190×150 | 15cm | 高さのある塀や構造物に使用。 |
使用する上記のようなコンクリートブロックで、囲いの角にあたるブロックはコーナーを使い、それ以外はキホンを使いますが、横に鉄筋を通す場合はヨコを使用します。
詳しくは、下記紹介する作り方を確認すればわかるかと思います。

ブロックの厚みは12㎝か15㎝がおすすめです!
モルタル・ジョリパットの紹介
モルタル

ブロック同士を接着するために使います。砂とセメントを混ぜてモルタルにするか、水を加えるだけで使える「インスタントモルタル」を使う方法があります。
モルタルや生コンの作り方について知りたい方は下記記事を参考にしてみてください。
ジョリパット(外壁用仕上げ材)

- 多彩な質感・模様がつけられる
粗いざらざらした仕上げから、細かい模様や石のような風合いまで、様々なテクスチャーを表現可能です。 - カラーバリエーションが豊富
自然な色合いから鮮やかな色まで選べるため、庭や外構の雰囲気に合わせて自由にコーディネートできます。 - 耐候性・耐久性に優れる
紫外線や雨風に強く、外壁や塀を長期間美しく保ちます。 - 透湿性がある
壁内部の湿気を逃がすため、結露やカビの発生を防ぐ効果があります。
ジョリパットは、外壁や塀などの仕上げに使われる塗り壁用の仕上げ材です。
塗るだけでおしゃれな質感やデザインを作り出せるのが特徴で、コンクリートブロックの無機質な見た目をカバーし、ナチュラルでおしゃれな雰囲気に変えることができます。
ちなみに今回私が使用したのは、ジョリパットの”T6401”です。
その他に必要なDIY道具
外構DIYに必要な道具やおすすめについては、下記記事で紹介しておりますので参考にしてみてください。
作り方|ステップ解説

今回は法面(斜面)にコンクリートブロックを2段積んで花壇を作っていきます。
基礎づくり
①花壇を作る位置を掘削する

花壇の高さに応じて基礎を掘りますが、2〜3段であれば、幅15〜30㎝、深さ15㎝(砕石5㎝、コンクリ10㎝など)くらいの基礎でも十分かと思います。
ただし、寒冷地では凍害によって基礎やブロックが浮き上がってくる可能性があるため、凍結深度(凍結しない深さ)まで砕石を入れるなどの対応が望ましいです。
寒冷地での施工について詳しく知りたい方は、こちらの施工方法を参考にしてみてください。
②砕石を敷いて転圧する

15㎝の穴を掘った場合、砕石が5㎝ほどになるように入れていき、足で踏みつけたり、コンクリートブロックで叩いたりして転圧します。
転圧範囲が広い場合や、今後も外構DIYで転圧する予定がある方はタンパーを用意した方が、効率的かつ楽に転圧できるためおすすめですよ。
③鉄筋を組む(必要に応じて)

コンクリートブロック花壇の基礎部分には、鉄筋(補強材)を組むことで耐久性を高めることができます。
今回は2段の高さなので、簡易的な鉄筋組みをしています。
まず、基礎の溝に横向きで鉄筋を並べます。
次に、L字型に曲げた鉄筋を80cm間隔で配置し、横向きに置いた鉄筋と結束線でしっかり固定していきます。
後に、ブロックを積んでいった際も鉄筋を横向きに配置します。

もし、ズレた位置で鉄筋を入れて基礎を作ると、あとでブロックが置けなくなるなんてこともありますので、鉄筋組みに自信がない場合は無理にいれなくても良いかと思います。2段程度の花壇であれば大きな問題にならないでしょう。
④コンクリートを打設する

型枠を作って10〜15cmほどのコンクリート基礎を打設していきます。
ただ、花壇程度であれば型枠なしで土を壁代わりにして基礎を作っても良いかと思います。
画像も手抜き型枠で基礎を作っています。
生コン作りはしんどい作業の一つですが、”まぜ太郎”というDIY用のコンクリートミキサーを使うとかなりの負担軽減と効率化になりますので、「生コン・モルタル作りが辛い…」という方はぜひまぜ太郎の使用も検討してみてください。
コンクリートブロックの積み方
基礎ができたらその上にモルタルを敷いてブロックを積んでいきます。
また、ブロックを積んでいくにあたって鏝を使用しますが、DIYではレンガ鏝が作業しやすくて良いかと思います。
① モルタルを練る

- 使用するのは「セメント:砂=1:3」の割合が基本です。
- 水を少しずつ加えながら、耳たぶくらいの柔らかさになるまで練ります。
- 練り終えたモルタルは乾かないうちに使い切るのが基本です。
②1段目のブロックを据える

- 基礎コンクリートの上にモルタルを敷き、1段目のブロックを並べていきます。
- 1段目のブロックはキホン、端部分位にはコーナーを使います。
- 水平器を使いながらまっすぐに据えるのが重要です。
- ブロック39cm、目地1cmの計40cmになるよう確認しながら行う。
- 1段目がズレると全てがズレてしまうので特に丁寧に。
③水糸を張る

1段目のブロックの端側を据えたら、水糸を張ります。
この水糸を基準にしながらブロックを積んでいくことで、ブロックの並びや高さが綺麗に揃うようになります。
水糸は地面に鉄筋などを刺して結びつけたり、ブロックに引っかけたりするのが一般的です。
また、高さを揃えて水平を出すには、水盛りという方法があり、ペットボトルとホースを繋げれば簡単に自作できます。

④ブロックの孔にモルタルを詰める

ブロックを設置したら、鉄筋が通っているブロックの孔にモルタルを詰めていきます。
鏝や棒などで突きながらしっかりモルタルを詰めていきましょう。
⑤2段目のブロックを据える

- 各段ごとにブロックの下と側面にモルタルを塗り、上に積んでいきます。
- 目地の幅は10mm前後が標準です。
- 各段ごとに水平・垂直を確認しながら慎重に作業を進めます。
1段目の時と同じ要領で2段目のブロックも積んでいきます。
ブロックの種類はヨコを使います。
⑥横筋を通す

- 今回は2段目に横筋を通します。
- コーナー部分は、ブロックの縁を壊して横筋が通るようにします。
- 横筋を通したら、ヨコブロックの溝をモルタルで埋めます。
⑦はみ出た目地を鏝で削ぎ取る
- ブロックを積んだら、ブロック表面に出たモルタルを鏝で削ぎ取る。
- この作業をしておくと、目地仕上げが綺麗に行いやすいです。
モルタルで目地処理

- モルタルが少し硬くなった(指で押してもほとんどへこまない程度)タイミングで目地を仕上げます。
- 早すぎるとモルタルが崩れ、遅すぎると仕上げにくくなります。
- 目地鏝(めじごて)などを使って、目地を軽く押さえ凹ませていきます。
- 凹んだ目地は見た目が引き締まり、雨水の侵入も防ぎやすくなります。
- 上下左右すべての目地に行ってください。
ジョリパットで仕上げるコツ
①下塗り(下地材を塗る)

- 表面の吸水を抑える
- 下地の微細なヒビ割れを埋める
- ジョリパットの接着力を高める
- ムラのない仕上がりに導く
ブロックをジョリパットで塗る前に、下地材としてミラクカチオンフィラーを塗ります。
下地材には上記の効果があり、綺麗な仕上がりと耐久性を高めるには大事な処理となります。
内側の土と接する部分は塗らないようにしておきましょう。
・ミラクカチオンフィラーを練る

ミラクカチオンフィラーに対して25%くらいの水で混ぜます。
電動ドライバーなどで使えるミキサーがあると、ムラなく楽に攪拌できますよ。
・ミラクカチオンフィラーを塗る

コテ板に下地材を乗せ、鏝ですくいながら塗っていきます。
ブロックに塗る際は、鏝を少し立てながら押し付けるように塗っていきましょう。
塗る量は1mmくらいの薄塗りで大丈夫ですので、ボコボコにならいないようなるべく平になるように行ってください。
②中塗り(ジョリパットを塗る)

下地材を塗って半日ほど経ったらジョリパットの原液、もしくは0.2%ほどの水を混ぜて塗っていきます。
乾くのを待つ間にコテ板に貼った養生テープを交換しておきましょう。
コテを少し立て、ブロックに押しつけながら下から上に動かし、そのまま下から上に戻してくると隙間・ムラなく塗りやすいかと思います。

難しい作業ではありますが、最悪失敗しても模様の付け方でうまく誤魔化せる場合もあります!
③上塗り(模様付け)

中塗り後、半日ほど乾燥させたら模様付けのために再度上からジョリパットを塗っていきます。
模様付けにはたくさんの方法がありますが、ローラーやほうきを使った模様付けがおしゃれかつ簡単に仕上げられるためおすすめです。
模様付けは上塗りしてから5分以内くらいに行うようにしましょう。
模様付けが終わり、しっかり乾燥させれば完成です。

ローラーはコロコロするだけなので、1番簡単かと思いますよ!
ジョリパットって安全?植物や土に影響は?
DIYで花壇を作る際、「ジョリパットを塗ったブロックの近くで野菜や花を育てて大丈夫?」という疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
結論から、ジョリパットは正しい手順で施工すれば家庭菜園や花壇にも使える安全な塗材とされています。
見た目の美しさだけでなく、耐候性や通気性も兼ね備えており、「見た目と機能性を両立させたい外構DIY」にぴったりな素材となっています。
ただし、以下の点を守るよう注意しておきましょう。
- 土とジョリパットは直接触れさせない
- 植物をすぐ近くに植えるのは施工から1週間以上あける
まとめ|丈夫で長持ち、見た目も映える花壇に!

コンクリートブロックとジョリパットを使用することで、耐久性が高く、おしゃれな花壇が作れます。
ジョリパットのカラーバリエーションも豊富ですので、ぜひ理想のお庭花壇を作ってみてはいかがでしょうか。