
コンクリートブロックは庭の仕切りに使うブロック塀や花壇の囲いなど、外構のアイテムとして幅広く利用されます。
そんなブロック積みですが、「業者に頼むと高そう」「自分で積めたらいいのに…」と思ったことはありませんか?
実は、ポイントを押さえればDIY初心者でもブロック塀をしっかりと積むことが可能です。
この記事では、ブロック塀に使うブロックの種類や強度、積み方の手順から失敗しないためのコツまで、わかりやすく解説します。
初めての方でも安心して取り組めるよう、写真や図を交えて丁寧に紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
ブロック塀をDIYで作る前に知っておきたいこと

必要な道具と材料一覧
材料
道具
必要な道具については下記記事で詳しく解説し、おすすめのものを紹介しておりますので参考にしてみてください。
規定に従って安全を確保する

ブロック塀を作る際には、塀が倒壊しないよう、規定に沿った基礎作りが重要です。
積み上げる塀の高さや幅に応じて、基礎の深さや「控え壁(支えとなる壁)」の有無も変わってきます。そのため、ブロック塀を安全に施工するには、建築基準法などで定められた規定を正しく理解し、守る必要があります。
とはいえ、規定には専門的な用語も多く、DIY初心者には理解が難しい部分もあるのが実情です。
そこで本記事では、専門的すぎず、でも安全面はしっかり考慮した範囲内でできる、DIY向けのブロック塀施工方法をご紹介していきます。
※市区町村ごとにブロック塀の安全基準や建築許可の要否が異なることがありますので、基本的には自治体の建築指導課などへ確認することを推奨します。
※詳しい規定については下記サイトを参考にしてみてください。
基本的にブロック塀の高さは120㎝以下であれば、そこまでガチガチの基礎を作る必要がないため、DIYで施工する場合は120㎝以下にしておくと良いかと思います。
DIYで使うブロックの種類について
サイズ
寸法サイズ 長さ×高さ×厚さ(mm) | ブロックの厚さ | 用途 |
390×190×100 | 10cm | DIYでもよく使われるサイズ。 |
390×190×120 | 12cm | 10cmより耐久性を高めたい場合に使用。 |
390×190×150 | 15cm | 高さのある塀や構造物に使用。 |
上記以外にも種類はありますが、DIYでよく使うコンクリートブロック(CBブロック)のサイズは上記のようになっています。
形状

特徴 | 用途 | |
キホン | 最も一般的な形状で中空タイプ。 | 塀の直線部分の大半に使用。 |
ヨコ | 上部にスリット(溝)が入っており、横方向に鉄筋を通せる。 | 高さのある塀で鉄筋を通す段などに使用。 |
コーナー | 角用に設計されたブロックで、 L字形や端部の空洞が特徴。 | 塀の角・端部に使用。 |
コンクリートブロックには形状の種類があり、1段目はコーナーとキホン、2段目はコーナーとヨコなどのように積んでいきます。
強度
特徴 | 用途 | |
A種 | 強度・耐久性が非常に高い。DIYではあまり使用されない。 | 高さのある塀、擁壁、公共構造物など。 |
B種 | 標準的な強度。 ホームセンターなどで取り扱うことが多い。 | 一般住宅の塀、車庫まわりなど。 |
C種 | 軽量で扱いやすいが、強度は低め。 | 仮設、簡易的な花壇・囲いなど。 |
強度の種類もありますが、一般的なDIYではB種、C種あたりがよく使われます。
塀を作るならB種かA種にしておきましょう。
DIYでブロック塀を積む手順

今回は厚さ12㎝のコンクリートブロック(B種)を使って、4段積みのブロック塀を作っていきます。
基礎作り・ブロック積み・目地仕上げの3つに分けて、それぞれ詳しく解説していきます。
基礎作り
① 境界ラインを決める・水糸を張る

- まずブロック塀を設置する位置を正確に決めます。
- 水糸をピンと張って、直線や角度のズレを防ぎましょう。
- 水盛りなどで水平になるよう調整します。
ペットボトルとホースを繋げ、中に水を入れてあげれば簡単に水平が出せますので、作業を始める前に作っておくとスムーズに施工しやすくなりますよ。
② 掘削する(基礎を掘る)

- ブロック塀の高さに応じて、深さ30〜50cm程度掘ります。
- 例)今回は基礎の高さ40cm、幅40㎝で作り、基礎の根入れ深さは35cmで施工します。
- 砕石を敷くスペースも含めてしっかり掘り下げます。
今回は80㎝くらいのブロック塀なので、多少作り方を簡素化しています。
③ 砕石を敷いて転圧する

- 掘った底に砕石(バラス)を5〜10cm程度敷き詰める。
- タンパーなどでしっかり固め、地盤の沈下を防ぎます。
転圧に使う道具は代用はできますが、やはりタンパーなどが使いやすく、効率的で楽に転圧できますよ。
④ 型枠を組む(必要に応じて)
- コンクリートが流れ出ないように、木板や型枠パネルで囲います。
- 高さ・水平をしっかり確認しながら組み立てます。
⑤ 鉄筋を組む(配筋)

- ブロックの中に通す縦筋(D10程度)を基礎部分にも埋め込みます。
- 縦筋は80cm間隔程度で差し、L字型に曲げて基礎内部に埋め込むと強度アップ。
- 横方向にはD10〜D13(太さ)の鉄筋を、ブロック(ヨコ)の長さに合わせて設置。
鉄筋が交わる部分は、結束線で結んで繋げます。
この鉄筋組みのやり方も簡素化しています。
⑥ コンクリートを打設する

- 練ったコンクリートを型枠内に流し込み、鏝や棒で突いて空気を抜きます。
- 表面をコテでならして、水平になるように整えます。
- 乾燥させる(通常は1日以上。完全硬化は数日かかる)。
モルタル・生コンを練る作業は非常に大変ですが、”まぜ太郎”というコンクリートミキサーを使うと作業がかなり楽になり、効率も数倍上がります。
そのため、モルタル・生コン作りが辛く感じた方はぜひ、まぜ太郎を使ってみてください。
⑦ 型枠を外す

コンクリートがしっかり固まったら型枠を外し、ブロック塀の基礎が完成となります。
DIYではこの基礎作りが1番辛い作業かと思います。
その後、ブロックの積み上げ工程に進んでいきます。
ブロック積み
① モルタルを練る

- 使用するのは「セメント:砂=1:3」の割合が基本です。
- 水を少しずつ加えながら、耳たぶくらいの柔らかさになるまで練ります。
- 練り終えたモルタルは乾かないうちに使い切るのが基本です。
② 1段目のブロックを据える

- 基礎コンクリートの上にモルタルを敷き、1段目のブロックを並べていきます。
- 水糸を頼りに、水平器を使いながらまっすぐに据えるのが重要です。
- ブロック39cm、目地1cmの計40cmになるよう確認しながら行う。
- 1段目がズレると全てがズレてしまうので特に丁寧に。
鉄筋は80㎝置きに設置しているため、ちょうどブロックとブロックの間を鉄筋が通ります。そこの空洞部分にもモルタルを詰めて補強します。
ブロックの置き方

- 基礎の上にブロック1本分の幅と長さに合わせてモルタルを置く。
- コテで山盛り気味に置く。
- 厚みの目安は10mm前後。
- ブロックを置いたときに横から少しモルタルがはみ出すくらいが適量。
- ブロックの側面にもモルタルを乗せ、目地を作る。
- 鉄筋が通ったブロックの穴をモルタルで埋める。
使用する鏝
使用する鏝はレンガ鏝やブロック鏝などがありますが、DIYではレンガ鏝を使うのが良いかと思います。
③ 2段目以降を積み上げる

- 各段ごとにブロックの下と側面にモルタルを塗り、上に積んでいきます。
- 目地の幅は10mm前後が標準です。
- 各段ごとに水平・垂直を確認しながら慎重に作業を進めます。
④ 鉄筋を通しながら積む

- ブロックの穴に、基礎から立ち上がった縦筋を通すように積みます。
- 高さに応じて、2段〜3段ごとに横筋を通します。
- コーナー部分は、ブロックを縁を壊して横筋が通るようにします。
- 横筋を通したら、ヨコブロックの溝をモルタルで埋めます。
コーナーの縁は、ハンマーやタガネなどを使って部分的に壊しましょう。
⑤ モルタルのはみ出しを削ぎ取る
- ブロックを積んだら、ブロック表面に出たモルタルを鏝で削ぎ取る。
- この作業をしておくと、目地仕上げが綺麗に行いやすいです。
目地仕上げ

- モルタルが少し硬くなった(指で押してもほとんどへこまない程度)タイミングで目地を仕上げます。
- 早すぎるとモルタルが崩れ、遅すぎると仕上げにくくなります。
- 目地鏝(めじごて)などを使って、目地を軽く押さえ凹ませていきます。
- 凹んだ目地は見た目が引き締まり、雨水の侵入も防ぎやすくなります。
- 上下左右すべての目地に行ってください。
完成

最後にハケやスポンジなで汚れを落としたら完成です。
今回は、DIYで4段のブロック塀を作る方法についてご紹介しましたが、6〜7段以上の高さになる場合は、より強固な基礎づくりや構造上の配慮が必要になってきます。
また、歩道や道路に面した場所など、人の通行が多い場所に設置する場合は特に注意が必要です。
万が一の転倒や破損による事故を防ぐためにも、安全面を最優先に考え、無理な施工は避けるようにしましょう。
水糸は必ず活用しよう!

ブロック塀を作る際は、水糸を使って基準となる線を作ってあげるようにしましょう。
水糸を使わず、感覚頼りで施工してしまうと高確率で歪んだブロック塀になってしまいます。
この基準の線があるかどうかで完成度は大きく左右されますので、必ず水糸を使いながら施工していきましょう。