
テーブルソーを使う時にあると便利な治具の一つ、クロスカットスレッド(そり)の作り方を紹介していきます。
昇降式自作テーブルソーの作り方については、下記記事で紹介していますのでご興味ある方はそちらもご参照ください。
クロスカットスレッドのメリット

クロスカットスレッドを刃に向けて押すことで安全に作業しやすくなり、加工速度を高めることもできます。また、同サイズの木材を量産したい場合にも重宝されます。
テーブルソーは、危険性・恐怖心から細かい加工が行いにくい一面がありましたが、クロスカットスレッドを使えば細かい加工も行いやすくなり、テーブルソーで出来る幅が広がりますので、持っておいて損はないテーブルソー用治具といえます。
作り方
- 作業台にレールを取り付ける
- スレッドの素材加工と組み立て
- 精度の確認・調整
- 目盛り機能の取り付け
- トグルクランンプの取り付け
- 完成
①作業台にレールを取り付ける

まず最初に、電動トリマーを使ってテーブルソーの刃と平行な溝を2本掘り、そこにアルミレールをはめ込みます。このレールに沿ってスレッドを動かしていくことになりますので、しっかりと平行に設置していきましょう。
レールのサイズは天板に収まる深さで、幅2〜30mmくらいあれば十分かと思います。
レールは接着剤やビスを使ってしっかり固定し、天板との段差ができないように注意してください。
②スレッドの素材加工と組み立て

スレッドの土台となるフェンス部分の木材2本、スライド用の木材2本、板材1枚を用意し、上記画像のようにビスなどで組み立てていきます。
スライド用の木材は、アルミレールの内径幅/深さと同じサイズにし、レールの中で木材がスムーズにスライドできる程度にやすりなどで調整します(最初から0.数ミリ小さめにカットしてもOK)。
スライド用の木材ができたらレールの中に入れ、その上から板材を置き接着剤など仮固定し、乾いたあとにビスで固定します。
③精度の確認・調整

スレッドができたら、テーブルソーの刃を出して切れ目をいれていきます。
この時、フェンス(手で押す)部分が刃よりも低くなると、スレッドが両断されてしまいますので注意しましょう。
スレッドから刃が出たら、さしがねや三角定規などを使って刃とフェンスがしっかり垂直になっていることを確認しましょう。
ここで垂直がとれていなければ木材を加工した時にズレてしまいますので、直角の確認は必ず行い、もしズレているようならやり直しましょう。
④目盛り機能の取り付け

目盛機能をつけてあげることで、墨付けをしなくても任意のサイズカットできるため作業効率を大幅に上げることができます。
さらにガイドに合わせて加工していくことで同サイズの木材を量産できるようになります。
目盛りの取り付け
スレッドにメジャーテープを貼り付けていきますが、電動トリマーを使って貼り付け位置を0.3mm程切削しておくとメジャーテープが綺麗に収まり、剥がれにくくなります。

下記のメジャーテープであれば、正目盛・逆目盛・分け目盛の3種類がセットになっておりおすすめですよ!
Tスロットトラックの取り付け

Tスロットトラックの埋め込みも電動トリマーを使って切削していき、空いた溝にはめ込んでいきます。
鬼目ナットを取り付けた木材を回転させるとボルトが締まり、任意の場所でガイドを固定できる仕組みとなっています。
これにより目盛りに合わせたサイズで加工することができるようになります。
⑤トグルクランンプの取り付け

トグルクランプとは物体を固定したりするためのクランプの一種で、レバーを下ろすと少ない力で大きな締め付け力を発生させます。
このトグルクランプをフェンス部分に取り付けることで、手で抑えることができないような小さな木材もしっかり固定することができ、より精密な加工を可能にしてくれます。
⑥完成

以上でクロスカットスレッドの完成となります。
精密な加工などをより効率的に行えるようになり、作業の幅も広がりますのでぜひ参考にしていただければ思います。
使用する際のコツ
- 木材をしっかり固定する
- 潤滑剤の使用
クロスカットスレッドを使用する上で重要なのは木材をしっかり固定することで、固定が甘いと木材が飛んだり割れたりしてしまいます。
特にトグルクランプを使用する場合は、固定力が弱い商品だとうまく加工できない恐れありますので注意しましょう。
また、レール部分に潤滑剤などを使うと、クロスカットスレッドの動きが良くなって使いやすくなりますのでスムーズに動かない方は試してみてください。

私はロウソクを擦って潤滑剤の代用をしていますが、十分な効果を発揮してくれていますよ!