
トリマーテーブルキッドを使って、高さ調整が簡単にできる昇降式トリマーテーブルの作り方を紹介していきます。
また、今回使用した電動トリマーは京セラの”MTR-42”ですが、なかなかサイズの合うテーブルキッドがないため、トリマーのサイズが合わない時の対策などもあわせて解説していきます。
トリマーテーブルのメリット
トリマーテーブルには精度、安定性、作業効率を高めてくれるなどのメリットがあり、初心者の方でも扱いやすく、恐怖心も軽減されることからトリマーテーブルはかなり便利なツールとなっています。
ただ、一度トリマーテーブルを作るとフリーハンドで作業したいとなったときに固定したトリマーを外す手間が増えるため、フリーハンド用とトリマーテーブル用で2つ電動トリマーがあると作業効率が上がっておすすめです。
昇降式トリマーテーブルの作り

今回は上記画像のようなハンドルを回して昇降できるトリマーテーブルを作っていきますが、3つの問題点と対策を合わせながら解説していきます。
作業台の作り方については下記をご参照ください。
トリマーテーブルキッドの準備

まず、トリマーテーブルを作るにあたって、”昇降式システム”のあるインサートプレートを用意する必要があり、プレートから自作することもできますが、手間や精度、耐久性などをのリスクを考えると購入した方が安心して長く使用できます。
今回実際に使用したテーブルキッドは下記商品ですが、MTR-42に使用する場合はサイズが合わないためちょっとした工夫が必要となります。

ハイコーキの”M3608DA”等であれば加工や工夫をしなくてもサイズが合いますよ!
3つの工程から成る作り方
- 天板をプレート型に切削する
- 電動トリマーとリフトベースを取り付ける
- プレートとベースを固定し天板に埋め込む
①天板をプレート型に切削する
まず、インサートプレートを天板の設置する位置に置き、型を取るように印をつけます。

次に電動トリマーを使って幅1.5cm、厚み5mm(プレートの厚み)の溝を掘りますが、幅1.5cmよりも小さくなると今回使用するプレートの取り付け穴と合わなくなってしまうため注意してください。違うプレートを使う方も取り付け穴が溝に収まる幅で切削するようにしましょう。
切削によってできた中央にある四角形の角にドリルなど穴を開け、ジグソーなどで切り抜いていきます。

天板を切り抜いたら、やすりやノミで綺麗に整えておきましょう。

ここで一つ目の問題があり、リフトベースにあるボルトが引っかかってしまうため、画像のように穴を開けてボルトを回避させます。また、昇降用のスクリューも干渉してしまう可能性もあるため、その場合は2つの穴の間にもう一つ穴を開けておくと問題が解消されます。
②電動トリマーとリフトベースを取り付ける

電動トリマーとリフトベースを取り付けていきますが、画像にある4箇所のボルトを六角レンチで閉めていくことで内側にあるアルミニウム合金が閉められていき、トリマーが固定される仕組みとなっています。
しかし、ここが2つ目の問題で、MTR-42の場合サイズが小さいため、無理に固定するとリフトベースが破損するリスクやトリマーの中央がズレるという失敗が発生してしまいます。
そのため、対策としては曲げ加工がしやすいスチール素材などをトリマーとリフトベースの間にかませてあげることで改善され、私の場合はブックスタンドを4つの四角形にカットして使いました。
このとき、4箇所にスチールを入れてなるべく対称となるようにしてあげないとトリマーの中央がズレてしまうため注意です。

トリマーの中央がズレると正確な作業がしにくくなるのはもちろん、ビットの刃がプレートに干渉して使用できなくなってしまいます。
③プレートとベースを固定し天板に埋め込む

インサートプレートとリフトベースをボルトで固定した後、天板の中に埋め込んでビス固定すれば完成です。
※ここまでの部品の中でスチールとビスだけ別途準備が必要となります。
トリマービットの交換方法
最後の3つめの問題ですが、トリマービットの交換方法が従来通りだとできないため、対策方法を紹介しておきます。
MTR-42の場合、スピンドルロックボタンを押しながらスパナでコレットナットを回転させると「締める/緩める」ができますが、プレートを取り付けてしまうとスピンドルロックボタンが押せなくなるため、ビットの取り外しができなくなってしまいます。

この場合の対策としては、画像右側のように六角棒レンチをスピンドルにある穴の中へ差し込むと、スパナでコレットナットを回転させた時にスピンドルが固定され、ビットの取り外しが可能になります。
また、スピンドルを別のスパナで固定しながら回転するという方法でもできますが、初期のリフトベースの取り付け位置が高いとスパナが届かない可能性もあるため、その場合は六角棒レンチを使用すると良いでしょう。
ガイドがあるとさらに便利

トリマーテーブルを使用する際は、画像のようなガイドがあると正確かつ素早く切削でき、さらに集塵機を取り付けることで木屑や木工粉塵を防ぐことが可能になります。

私の場合はテーブルソーも兼ねた作業台になっており、トリマーテーブルと共有して使えるガイドをつくりました。
集塵機はDIYにおいてもかなり重宝される存在ですので、集塵機の必要性について知りたい方は下記記事を参考にしてみてください。
※参考までにガイド等がついた下記のようなタイプもあります。
20分で出来る簡易トリマーテーブルもある

昇降式トリマーテーブルの自作が難しいと感じる方やそこまでの機能が必要ないという方は「20分で出来る簡易トリマーテーブル」もありますので、詳しい作り方は下記記事をご参照ください。
すぐに作る時間がなくてとりあえず簡易的なトリマーテーブルを作りたいといった場合にも便利ですよ。